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株主優待が欲しい! 「株主優待をタダでもらう方法」の落とし穴

明日、3月27日は、2024年3月31日が権利確定日の銘柄の権利付最終売買日です。

株主優待は欲しいけど、いつまでに株を買えばいいのか分からないという方向けに売買方法をまとめてみました。

また、「株主優待をタダでもらう方法」の落とし穴についても解説します。

ご一読いただければ、幸いです。

目次

株主優待とは?

株主優待とは、簡単に言えば、企業が自社の株を保有する株主に対して、自社の商品やサービスなどをプレゼントする制度のことを指します。

この制度は任意で、すべての企業が実施しているわけではありません。

株主優待のメリットは、何と言っても、商品やサービスを無料(しかも、無税!)で得られることです。

値上がり利益(キャピタルゲイン)、配当金(インカムゲイン)と合わせ、株式投資の醍醐味のひとつです。

また、株主優待を実施している企業の株価は、実施していない企業に比べて、高い傾向があり、相場全体が下落するときも株価の下がり具合が緩やかです。

一方で、企業の業績が悪化した場合には優待の内容が変更されたり、優待そのものが廃止されたりする場合があります。

この場合、株価は大きく下落します。

また、株主優待を受け取るためには、一定の手続きが必要です。

具体的には、以下のステップになります。

  1. 証券口座を開設する
  2. 優待を提供している企業の株を見つける
  3. 企業が定めた期限(権利付最終日)までに株を購入する
  4. 株主優待が送られてくるのを待つ(権利付最終日の3か月後ぐらい)

ただし、株主優待はあくまで特典であり、投資の目的は資産を増やすことであるべきです。

株主優待だけを目的に株を購入した結果、株価の下落により損失が出る可能性もありますので、注意が必要です。

「株主優待をタダでもらう方法」の落とし穴

「株主優待をタダでもらう方法」として、紹介されることが多いのは、「クロス取引」(または「つなぎ売り」)という手法です。

これは、権利落ち日(権利付最終売買日の翌営業日)に株主優待を目的として買われた株が一斉に売られることで株価が大きく下落することで発生する損失を回避する方法です。

ただし、完全に「タダ」というわけではなく、取引手数料や貸株料などのコストが発生します。

クロス取引の基本的な手順は以下の通りです。

  1. 株主優待獲得の権利を取るために現物株を買うと同時に、信用取引で同じ銘柄を空売りする
  2. 権利落ちによって損失が出ても、空売りのほうで同じ金額分の利益が出るため、相殺すれば下落による損失はゼロ(になるはず!)

ただし、クロス取引には以下のような注意点があります。

  • 信用口座の開設が必要
  • クロス取引ができない銘柄もある
  • 配当金はもらえない
  • 株主優待を上回る「逆日歩」が発生することがある

【信用口座の開設が必要】

信用取引を組み合わせるため、事前に信用口座を開いて、担保となる代用有価証券や現金を準備しておく必要があります。

【クロス取引ができない銘柄もある】

信用取引で「売り」から入れない銘柄については、クロス取引はできません。

【配当金はもらえない】

現物取引で受け取る配当金は、信用売りで支払う配当調整金と相殺されるため、配当金は実質受け取れません。

【株主優待を上回る「逆日歩」が発生することがある】

逆日歩は、信用売りが増えすぎたときにだけ発生する、イレギュラーな株のレンタル料のようなものです。(後ほど詳しく説明します。)

以上のような手続きを踏むことで、株主優待を低コストで得ることが可能です。

ただし、株主優待はあくまで特典であり、投資の目的は資産を増やすことであるべきです。

株主優待だけを目的に株を購入した結果、株価の下落により大きな損失が出る可能性もありますので、注意が必要です。

信用口座と現物口座の違いについて

信用口座と現物口座は、株式取引を行うための2つの主要な口座タイプで、それぞれ異なる特性と機能を持っています。

【現物口座】

現物口座では、預けた金額の範囲内での取引が可能です。

つまり、自分が所有している現金を株式と交換する取引を行います。

現物取引では、購入した株式は自分の所有物となり、売却するまでの期間に制限はありません。

【信用口座】

信用口座では、証券会社からお金や株式を借りて取引を行うことができます。

具体的には、保有株式と預かり金の総額(委託保証金)の約3倍の取引が可能となります。

信用取引では、値上がりだけでなく、値下がりのときも利益を狙うことができます。

ただし、信用取引では、金利・貸株料・信用管理費等が発生します。

お金や株式を借りて行う信用取引では、借りている期間に応じて金利(株式を借りる場合は貸株料)とその手数料が必要になるからです。

以上のように、現物口座と信用口座は、取引の方法とリスクが異なります。

投資を行う際には、自分の投資目標とリスク許容度に合わせて、適切な口座を選択することが重要です。

逆日歩(ぎゃくひぶ)とは?

逆日歩(ぎゃくひぶ)とは、信用取引における売り方が負担する事前に想定できないコストのことを指します。

具体的には、信用売り残高が信用買い残高を上回り、株式の貸し方である証券会社が、貸し出せる株の不足を補うために、機関投資家などから株を借りる際に調達費用として発生します。

逆日歩が発生する仕組みは以下の通りです。

証券会社は、信用買いの買付代金や、空売りの株券を保有していますが、信用取引が活発に行われた場合には、追加の資金、株式が必要になります。

このとき、証券会社は、生命保険会社や損害保険会社などの機関投資家から現物株を調達して株不足の解消に努めます。

証券会社が機関投資家から株を借りる際に発生する1日あたりのコストが品貸料で、このコストは売り長の状態を招いている売り方が負担し、買い方が受け取る仕組みとなっています。

しかし、信用売り残高が信用買い残高を上回る「売り長(うりなが)」の状態が続き、不足する株を手当できない場合に、逆日歩が発生します。

逆日歩は、1株あたりで表記されるため、逆日歩が複数日に渡ったり、まとまった株数だったりすると、思わぬコストが発生することがあります。

また、逆日歩が発生するかどうかは、毎営業日、取引終了後に売買を差し引いてわかり、値段は取引翌営業日に行われます。

そのため、逆日歩が発生するかどうか、また、いくらになるかは前もってわかりません。

以上のように、逆日歩は信用取引における重要な要素であり、取引を行う際には十分な注意が必要です。

まとめ

株主優待は、企業が自社の株を保有する株主に対して、自社の商品やサービスなどを提供する制度です。

「株主優待をタダでもらう方法」として、「クロス取引」(または「つなぎ売り」)という手法を紹介されることがありますが、取引手数料や貸株料などのコストが発生します。

現物株を買うと同時に、信用取引で同じ銘柄を空売りするため、事前に信用口座を開いて、担保となる代用有価証券や現金を準備しておく必要もあります。

さらに逆日歩の発生により、事前に想定できないコストを負担することがあります。

株主優待はあくまで特典であり、投資の目的は資産を増やすことであるべきです。

株主優待だけを目的に株を購入した結果、株価の下落により大きな損失が出る可能性もありますので、注意が必要です。

なお、本記事に記載した情報や意見によって発生した損害や損失については、一切責任を負いません。

投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

補足:権利付最終売買日、権利落ち日、権利確定日

【権利付最終売買日】

その銘柄を保有することで、株主権利(配当金・株主優待など)を得ることができる最終取引日のことです。

株主権利を取得するためには、各企業が定めている権利確定日に株主として株主名簿に掲載されている必要があります。

そのためには、権利確定日から2営業日前(権利付最終売買日)までに株式を購入しなければなりません。

なお、株主権利を得るには、権利付最終売買日の大引け(午後3時)までに買付が必要です。

【権利落ち日】

権利付最終売買日の翌営業日を指します。

権利落ち日以降に買付をしても、株主権利を得ることはできない為、次回以降の権利確定日まで保有する必要があります。

【権利付最終売買日、権利落ち日、権利確定日の関係】

3月31日を権利確定日とした場合、権利付最終売買日、権利落ち日、権利確定日の関係は、以下の通りです。

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