資産運用で王道とされる「長期・積立・分散投資」の3つのポイントを押さえながら運用することができるため、インデックスファンドへの積立投資がオススメされることが多いです。
メンテナンスをほとんどしなくても、継続するだけで資産形成ができるため、「万能」だと思われるインデックス投資にも欠点は存在します。
今回は、私が過去に失敗したことを踏まえ、インデックスファンドの積立投資を始める際に知っておいた方が良いことをまとめてみました。
相場が急変する前にご一読いただければ、幸いです。
目次
大きなリターンを目指す投資ではない
インデックス投資は、指数に連動する成績を目指すものです。
いわゆる「及第点」を目指す投資方法であり、短期間に大きな成果が出るものではありません。
話題になっている個別株のように10倍に暴騰するようなことはありません。
そのため、「個別株へ投資した方が良い」という意見もありますが、初心者が短期の値上がり目的でよく分からない個別株に投資しても利益を出すことは難しいでしょう。
複数の個別株の平均値である指数に連動するインデックスファンドの値動きは、値上がりも値下がりも個別株と比較してマイルド。
悪く言えば、可もなく不可もなく、推移していきます。
短期では、大きな利益も出ませんが、逆に大きな損失も出にくくなります。
短期的な大きなリターンを目指す投資に目移りしないように注意しましょう。
ずっと同じ値動きをするわけではない
インデックス投資は、さまざまな書籍などで推奨されていることもあり、価格変動のない(あるいは資産が増え続ける)安全な投資だと思われることがあります。
複数の個別株の平均値である指数に連動するため、個別株と比較して値動きはマイルドになりますが、値動きは当然あります。
そのため、投資した金額よりも評価額が上がることも下がることもあります。
評価額が増えているときはいいのですが、大きく減少したときに冷静でいることはできるでしょうか?
人間は、損失に敏感に反応するように進化していることもあり、大事な資産が減少することは、気持ちが良いものではありません。
この不安を解消するため、「底値付近での損切決済」や「リスク許容度を無視した買い増し」をしてしまうことがあります。
評価額が減った場合でも冷静でいるコツは、あらかじめ「含み損になる場合もある」と理解しておくことです。
「含み損」になることがあると理解していれば、相場の下落時にも取り乱すことなく、投資を継続することもできるでしょう。
くれぐれも一時的な含み損に焦って、無謀な行動をすることがないように注意しましょう。
短期間での頻繁な売買はしない
短期的な売買を繰り返し、売却益を積み上げていくデイトレードなどの投資手法もあり、投資はすぐにリターンが出せるものと思われる方もいるかもしれません。
でも、値動きのマイルドなインデックスファンドは、デイトレードには向いていません。
投資資金にレバレッジをかけることで、インデックスへの投資でも利益を大きくすることはできますが、それは「投機」です。
短期間で大きな利益を目指すことは、初心者のうちは止めておきましょう。
値動きの少ないことからインデックス投資は、つまらない投資と思われがちですが、実際につまらないです。
大きな損失を回避できますが、その代償として、大きな利益を得ることを放棄した投資手法であると諦めてください。
その代わり、十分な期間、継続して投資を続けることができれば、再現性も高く、勝率も高い投資方法です。
私もSNSなどでデイトレーダーの爆益報告を見てしまうと「うらやましい!」と思うことは多々あります。
その場合は、別の投資手法だと割り切って考えることが必要です。
また、インデックス投資は、長く続けてることで大きな利益が出ます。
初心者のうちは、少ない利益で売却し、利益を確定したいと考えがちです。
しかし、目先の薄利を追うことにより、手数料や税金を多く払うことになり、肝心の投資元本の増加ペースは遅くなります。
目先の小さな損益は気にせず、積立を継続していきましょう。
長い時間をかけることが将来の大きな利益につながります。
特に新NISAでは、貴重な非課税枠を無駄遣いすることがないように注意しましょう。
リスク許容範囲内の投資資金で運用する
再現性、勝率が高いインデックス投資ですが、評価額が投資元本よりも少なくなることは頻繁に起こります。
含み損が発生した場合に不安になるのは、リスク許容範囲を超えた資金を運用している場合です。
含み損に慌てないためにも、十分な生活防衛資金を現預金で用意しておきましょう。
「生活防衛資金」については、過去の記事を参考にしてください。
なお、生活防衛資金が少ない場合には、投資の勉強を優先し、実際に投資を始めるのは「生活防衛資金」が貯まってからにしておいた方がいいでしょう。
練習のためであれば、ポイント投資など現金を使わない投資や100~1,000円などの少額での投資をご検討ください。
生活防衛資金が用意できており、運用中に損失が発生することも理解したうえ、リスク許容範囲を理解していれば、インデックス投資の継続は簡単です。
生活防衛資金を確保したうえで、余剰資金を活用し、長期的な資産形成を目指しましょう。
まとめ
今回は、私が過去に失敗したことを踏まえ、インデックス積立投資で知っておいた方が良いことをまとめてみました。
インデックス投資は、再現性・勝率の高い投資手法ですが、以下の注意点はしっかりと理解しておく必要があります。
- 大きなリターンを目指す投資ではない
- ずっと同じ値動きをするわけではない
- 短期間での頻繁な売買はしない
- リスク許容範囲内の投資資金で運用する
以前に比べ、インデックス投資は、誰でも始めやすく、また続けやすくなりました。
少資金・安価な手数料で優良な指数に分散投資し、将来のために資産運用をしてみましょう。
実際にやってみなければ分からないこともありますので、失っても気にならない程度の金額から始め、取引や操作方法に慣れていきましょう。
なお、本記事に記載した情報や意見によって発生した損害や損失については、一切責任を負いません。
投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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財産を寄付し、働きながら学ぶという生活を送りましたが、晩年に語った人生哲学は、資産形成期はもちろん、資産形成が終わった後にも役に立つと思います。
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