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「新NISAはあぶない」は本当か? 経済評論家の意見なんて、占いと変わらない!

今年1月から非課税投資可能額などを拡大した「新NISA」に大きな関心が集まっていますが、反対意見もあって、困ってしまいます。

さっさとリタイアしたい私は、新NISAだけでなく、個別株・FXでも資産運用をしたいと考えています。

以下に「新NISA」に反対する意見について、自分の考えをまとめてみました。

良かったら、ご一読ください。

目次

「新NISAが危ない」という3つの主張

  • バブルが弾ければ、株価が大きく値下がりする場合がある。
  • 現在はバブル状態であり、間もなく弾けるだろう。
  • 投資とは、安い時に買って、高い時に売ることだ。

ゆえに現時点では、新NISAに手を出してはいけないと主張もありますが、信じてもいいのでしょうか?

私は、この主張は間違っていると考えています。

「バブルが弾ければ、株価も大きく目減りする場合がある。」という主張について

まずは、「バブルが弾ければ、株価も大きく目減りする場合がある。」という主張についての反論です。

バブル時の最高値(終値)は、1989年12月29日で約39,000円。

一方でバブル崩壊後の最安値(終値)は、2009年3月10日で約7,000円。

最悪のシナリオを想定したとしても、4万円で投資した後、バブル崩壊後の最安値に戻ったとしても、6分の1になるだけです。

また、海外投資家による取引を考慮し、ドル建て(米ドル)に換算すると

最高値:約274ドル (1米ドル=142円として計算)

最安値:約72ドル (1米ドル=98円として計算)

となり、その差は4分の1まで小さくなります。

ピーク時に全額を投資していたら大問題ですが、積立投資を活用し、銘柄・時間を十分に分散すれば、回復時にはプラスになるのではないでしょうか?

「現在はバブル状態であり、間もなく弾けるだろう。」という主張について

次に「現在はバブル状態であり、間もなく弾けるだろう。」という主張です。

確かに日経平均株価がバブル期の最高値を超えたのは、事実です。

だからと言って、現在の日経平均株価がバブルだとは言えないのではないでしょうか?

なぜならば、当時よりも「お金」自体の価値が下がっているからです。

身近にあるものとして、自動販売機で買える缶ジュースの値段を例にします。

1989年は、100円でした。

2024年は、どうでしょう?

ふつうの自動販売機では、130円ぐらいではないでしょうか?

このことから1989年に比べ、2024年では「お金」の価値が、25%ほど下がっていると言えないでしょうか?

「お金」の価値が低下したことを考慮するとバブル時の最高値の約39,000円は、2024年の約52,000円に相当します。

そう考えるとまだ12,000円くらいは上昇余地がありそうです。

また、バブル期のPER(株価収益率)は60倍だったそうですが、2024年時点のPER17倍だそうです。

物価の上昇とPERの比較だけでも、日経平均が少なくともPER40倍の10万円を超えなければ、バブルとは言えないのではないでしょうか?

「投資とは、安い時に買って、高い時に売ることだ。」という主張について

「投資とは、安い時に買って、高い時に売ることだ。」というのは、正しいです。

つねにそうありたいと私も思います。

でも、年始に経済評論家がやっている年末の株価予想は、全員一致していますか?

十人いれば、十人とも予想額が違っているはずです。

なぜならば、年内に起こる様々な事象を正確に予測することはできず、その事象の影響に至っては、もはや想像すらできないからです。

このような状態で安い時に買って、高い時に売ることなんてできるでしょうか?

恐らく、できるヒトは、皆無と言わないまでもほんの一握りです。

したがって、「安い時に買って、高い時に売ること」自体の実現ができないことが分かります。

結局、相場の動きを正確に予測することは、誰にもできない

2007年、アメリカで住宅価格の下落によりサブプライムローンが不良債権化したことで起こったリーマン・ショックは、世界的な金融危機を起こしました。

リーマン・ショックの直前にとある証券会社のセミナーで「サブプライムローン問題は、アメリカ国内の問題であり、日本への影響は少ない」と主張していた経済評論家がいました。

そのすぐ後に別の経済評論家が「サブプライムローン問題は、アメリカ国内にとどまらず、全世界に波及する」と主張していました。

事実としては、後者が正解でしたし、現在、「新NISA」を批判している経済評論家は前者です。

また、当初はただの風邪ぐらいに思っていた「新型コロナウィルス」により世界中が大混乱したこともあります。

発生する時期を特定しないで、将来を予測することは可能です。

(当たったときだけ、ドヤ顔で成果を主張できます。)

また、現在起きていることを過去の出来事に紐づけて、つじつま合わせの解釈をすることは簡単です。(占い師や評論家が良くやる手法です。)

投資に絶対はないし、予測もできないと考えて、「自分が正しいと思うこと」をするのが、正解なのではないでしょうか?

まとめ

私は、「相場の動きを正確に予測することは、誰にもできない」と考えています。

そのうえで、利益が出ても、税金がかからない「新NISA」を利用するのは、有効な戦略なのではないかと思い、積立投資をしています。

もちろん、生活に支障が出ず、「自己責任」と割り切れる額です。

評論家の意見に惑わされず、資産運用にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

なお、本記事に記載した情報や意見によって発生した損害や損失については、一切責任を負いません。

投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

補足1:日経平均株価とは?

日経平均株価(Nikkei 225)は、日本の株式市場における代表的な株価指数の一つです。

この指数は、東京証券取引所プライム市場に上場している約2,000社の中から取引が活発で流動性の高いもの225社を日本経済新聞社が選定し、算出されます。

民間企業が作成した経済指標ですが、日本の経済状況を反映するものとして、日本政府の経済統計にも利用されるため、投資家や経済評論家などにも注目されています。

補足2:PER(株価収益率)とは?

PERとはPrice Earnings Ratioの英語との頭文字をとった略語です。

日本語では、株価収益率です。

PERを一言で言えば、その会社に対する「期待値」ということになります。

時価総額を当期純利益で割ることで計算することができます。

たとえば、時価総額が1000億円、当期純利益が100億円の場合、1000億円÷100億円=10倍となります。

高い成長性が期待される場合、PERは高くなります。

一方であまり期待されていない場合、PERは低くなります。

バブルの場合は、「期待値」が異常に高くなっている状態なので、PERも異常に高い数値になります。

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