空売りでもしているのでしょうか?
最近、「バブル崩壊」や「大暴落」という言葉をよく聞くようになりました。
時間軸をあいまいにしたうえで「あえて逆張り」をしているだけなので、参考程度に聞き流すのが、正しい選択だと思います。
一方で「調整」はあっても、当面、右肩上がりは続くだろうとの意見もあります。
私は、この意見に賛成です。
さて、今回は個別株に中長期で投資することで「FIREした人」の話をしようと思います。
もちろん、私が実際に会ったヒトの話です。
良かったら、ご一読ください。
目次
その先輩との出会い
それは、今から8年ほど前、現在の会社で組織改編が行われる前の出来事です。
転職直後の私の指導担当が、その先輩でした。
その先輩の第一印象は、「穏やか」で「知識が豊富」だけど「やや優柔不断」でした。
管理職なので、残業代は出ないはずなのに、いつも残業をしていました。
それは、「仕事に対する責任感」と「頼まれた仕事を断れない性格」によるものだったと思います。
もちろん、「そんな状況が嫌いではなかった」だったということもあるのでしょうが…
一方で毎年、冬には1週間は有給休暇を取り、奥様とスキー旅行に出かけたり、休日も登山やサイクリングをしたりするなど、行動的な方でした。
しかし、組織改編により以前のように有給休暇は取りづらくなり、仕事も増えているのに評価はされないという状況が続いていました。
顔色もどんどん悪くなり、思いつめたような表情を浮かべていることもありました。
ところがある日から、妙に明るい顔をしているのです。
その数週間後、彼から「一身上の都合により退職する」と伝えられました。
そう、彼は「FIRE」する機会を狙っていたのでした。
その後、粛々と退職の手続きを進め、未消化の有給休暇はすべて使い切り、趣味の登山やスキーがしやすい別荘地に移住してしまいました。
今もときどき連絡があるのですが、現在は定職に就かず、農繁期に果樹園の手伝いをしながら、趣味のスキーを活かし、インストラクターをしながら、悠々自適の生活をしているとのことです。
夫婦だけで子どもがいないという共通点があるため、彼の投資手法はぜひ取り入れたいと思います。
彼から聞いた話を元に、その投資手法を整理してみました。
その先輩の投資手法について考察してみた
その先輩は、2011年3月に起こった福島第1原子力発電所の事故により東京電力 <9501> の株価が、わずか4日間で6割以上下げたことを失敗例に挙げていたことから以下のような株を購入していたようです。
- 時価総額の大きな株
- ディフェンシブ銘柄
- 高配当株
また、その先輩に投資手法は、シンプルに株を買い続けるというものではなく、
- 財務諸表等の情報に基づいて、割安だと思われる株を買う
- さらに株価が下がっても、1. の条件が変わらなければ、追加購入で同じ株を買う
- 平均取得単価を下げつつ、株価が上昇に転じるまで配当金を受け取りつつ、待つ
- 十分に利益が出る水準で投資した資金分の株を売却する(利益確定)
このときのポイントは、
「その株が割安である」という根拠がなくなったら、損失が出ていても潔く「損切り」をする。
利益確定の際は、全部を売却せず、「利益と同額の株を売らず」に取っておく。
このシンプルなルールを徹底し、給与所得から「生活に使わなかった分」を投資に回す。
そして、「無理な節約もしなかったことから、長く投資を続けることができた」とのことです。
株価の変動を利益に変える
大暴落が起きれば、個別株の株価はどんどん下がり、さほど時間もかからず、3分の2、半分となることもあります。
そのときは、二度と株価が回復しない気がしてきます。
株価をチェックするのもイヤになります。
そのようなときには、「大不況はずっと続く」という経済評論家もたくさん現れて、ますます不安になります。
しかし、明けない夜がないように、いつかは相場も反転します。
そのときに大きな利益が得られるのは、「株価が安いときに投資できた人」だけです。
実質「タダ」の株を持つ意味
そうは言うものの「持ち株の株価が下がる」のはイヤなものです。
そのために実質「タダ」の株(恩株)は、ありがたいものです。
すでに初期投資分は、回収しているのですから、「株価がゼロ」になったとしても「もともとタダの株」なので、実質的なダメージはありません。
そもそも、「ディフェンシブ銘柄」かつ「高配当株」を選んでいるため、「株価がゼロ」になる可能性を考慮する必要はほとんどないでしょう。
もちろん、「もともとタダの株」とは言え、「株価がゼロ」になれば、精神的なダメージはあります。
そのために「良い銘柄」を選び、「複数の銘柄」に分散し、「時間を味方につける」ことが必要になります。
また、「預貯金」と違い、「株価」はつねに変動します。
その変動があるから、「利益を得ることも損失を出すこと」もできるのだと覚悟しておくことが必要になります。
自分の資産形成にどう活かすか?
さて、先輩の投資手法について、まとめてみましたが、これを自分の資産形成に活かすにはどうしたら良いでしょう?
先輩が資産形成をしてきた時期は、「インデックス投資」という便利なツールの情報は十分にありませんでした。
また、「インデックス投資」は「個別株投資」に比べ、うまくいった場合の利益率が低く、金融機関が得られる手数料も少ないことから、積極的に紹介されることもありませんでした。
しかし、現在は、情報も増え、「多数の優良な銘柄」に「十分に分散された構成」の投資信託を定期・定額で購入することができることが周知されるようになりました。
そこで生活に必要な資金を確保したうえで、以下の投資対象を活用し、資産形成をしていきたいと思います。
【投資対象】
- インデックス・ファンド(楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド)
- 「REIT ETF」による不動産投資
- 高配当または株主優待がある日本株
- 成長が期待できる日本株
- デイトレードではない「FX」
かつて発生したバブルは必ず崩壊しましたが、いずれも回復し、それを上回る成長をしてきました。
日経平均がバブル時の最高値を更新後、調整気味のこともあり、気が気でない状況かもしれませんが、過去の経験から冷静に対処することが重要だと思います。
まとめ
今回は、個別株に中長期で投資することで資産形成し、今は田舎で悠々自適の生活をしている先輩の話をしてみました。
「株価の変動」を利用し、安いときに買い、高くなったら初期投資額分だけを売り、残った株は「恩株(実質「タダ」の株)」として、長期保有する考え方に共感しています。
私とは、資金力が違うため、単位株ではなく、単位未満株の積立投資で応用してみたいと思います。
また、今はインデックス投資の情報も充実してきました。
いろいろと雑音が気になりますが、自分の信じる方法で投資を継続していきたいと思います。
今後も「実際に資産運用をしている普通のヒト」の情報を集めていきたいと思います。
なお、本記事に記載した情報や意見によって発生した損害や損失については、一切責任を負いません。
投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
補足:ディフェンシブ銘柄とは?
ディフェンシブ銘柄とは、業績が景気動向に左右されにくい業種の株式を指します。
これは、景気後退期でも業績がさほど変化せず、「守りに強い」という意味に由来する呼称となっています。
たとえば、
- 食品業界やヘルスケア・医薬品業界などの生活必需品
- 電力・ガスなどのライフライン
- 鉄道や通信事業といった社会インフラ
などは、景気の状況にかかわらず一定の需要があるものと考えられます。
ディフェンシブ銘柄は、比較的リスクが低く、安定した成長が見込めるため、長期的な資産形成を目指している人や、リスクを抑えた投資がしたい人などにとっては、有望な投資先です。
ただし、ディフェンシブ銘柄でも、リスクが無いわけではありません。
株式投資は、常にリスクとリターンのバランスを考えながら行う必要があります。