老後の不安についてのアンケートを見ると「お金」、「健康」、「孤独」の3つがリタイア後に気になる不安だそうです。
また、この3つについては、FIRE(Financial Independence, Retire Early)した後に後悔しそうなことと共通するのではないでしょうか?
しかも、この3つのリスクは、それぞれ個別なものではなく、すべてリンクしているように感じます。
もし1つに問題が起こると他の2つともうまく行かなくなってしまうことがあります。
逆に、1つが解決すると他の2つとも解決することができるのではないでしょうか?
今回は、リタイア後の三大不安の解消法として、あえて「働かないおじさん」という生き方を選択することについて、考えてみたいと思います。
ご一読いただければ、幸いです。
目次
「働かないおじさん」とは?
「働かないおじさん」とは、会社で成果をあげられなくなっているにも関わらず、給料だけが高い世代を指す言葉です。
仕事をしているように見えるものの生産性が低いため、「老害」の代表のように言われることもあります。
しかし、そもそも若い頃に安い給料で会社に尽くしてきたのです。
それなのに適切な教育をしてこなかった会社にも問題があります。
今の働きは悪くても、若い頃に会社に貸したお金を返してもらっているだけだと思えば、気持ちも楽になります。
出世街道から離れたなら、過度に会社に尽くす意義などありません。
過度に働かないスタイルを貫くのも悪い選択ではありません。
あえて「働かないおじさん」になるメリット?
「働かないおじさん」だからいって、すぐにクビになる心配はありません。
なぜらば、労働契約法の第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」といった条文があるからです。
日本の労働関係の法律は、基本的に被雇用者を守る立場にあり、被雇用者側に非常に有利なものになっています。
もちろん、やるべき仕事は過不足なくする必要はありますが、必要以上の仕事は他人に任せ、残業はせず、さっさと帰りましょう。
50歳であれば、残りの10年間、給料をもらいながら、自分の時間を作ることができます。
空いた時間は、自分がやりたいことのために当てましょう。
自分のリソースを、会社ではなく、自分自身のために使うのです。
そうすれば、
「お金」は、空き時間を使って、副業や資産運用にチャレンジすることで対策ができるでしょう。
「健康」は、ストレスを貯めず、十分な睡眠と軽い運動をすることで対策ができるでしょう。
「孤独」は、空き時間を使って、副業や趣味を充実させれば、会社を辞めた後の居場所を作ることができるでしょう。
「働かないおじさん」期間中に気をつけることは?
現時点では、法律に守られているため、すぐにクビになる心配はありません。
しかし、法律が変わることもあり得ます。
そのため、「働かないおじさん」期間中は以下の点に気をつけましょう。
- 社内の状況に気を配る
- 孤立しないように気を配る
- 陰口は気にしない
【社内の状況に気を配る】
会社の業績が悪くなれば、生産性が悪い社員に対する風当たりは強くなります。
そのため、会社の業績には注意する必要があります。
また、会社の業績が良い場合は、早期退職の募集があるかもしれません。
今の会社に見切りをつけたのであれば、応じた方がよい場合もあります。
つねに社内の状況に気を配りましょう。
【孤立しないように気を配る】
生産性が悪くても会社に残れるのは、代わりに働いてくれる社員がいるからです。
その人たちから嫌われてしまえば、居心地も悪くなります。
そのため、邪魔者扱いされないように周りに配慮することも必要です。
卑屈になる必要はありませんが、愛想は大切です。
「愛される愚者」を目指す努力をする必要はあるでしょう。
【陰口は気にしない】
生産性が悪いことで陰口をたたかれることがあるかもしれません。
彼らは感想を言っているだけですから、気に病むことはありません。
もし、ストレスが酷いようだったら、心療内科を受診するのもいいでしょう。
「眠れない」等の症状が出ているのであれば、「適応障害」という診断がされるでしょう。
それを理由に堂々と「休職」すればいいのです。
「働かないおじさん」期間中にしておくことは?
定年延長や収入アップの道は閉ざされる可能性が高いです。
そのため、「働かないおじさん」期間中に以下のことをしておきましょう。
- 「自分のお金」にお金を稼いでもらうスキルを身につける
- 「自分がやりたいこと」でお金を稼ぐスキルを身につける
- 夢を叶えるため、転職することも考える
【「自分のお金」にお金を稼いでもらうスキルを身につける】
「自分のお金」にお金に稼いでもらうスキルを身につけましょう。
資産運用ができない理由のひとつである「勉強する時間がない」は、「働かないおじさん」には当てはまりません。
せっかく、勝ち取った時間は、有効に活用しましょう。
ただ、簡単に稼げると謳った投資商材には、注意しましょう。
ほとんど役に立たず、貴重な資金を無駄にしてしまいます。
豊かな老後を送るため、堅実な資産運用方法を身に着けることは大切です。
【「自分がやりたいこと」でお金を稼ぐスキルを身につける】
「自分がやりたいこと」でお金を稼ぐスキルを身につけましょう。
今まで長年働いてきたのであれば、スキルが全くないということはありません。
もちろん、社内には、同様のスキルを持っているヒトが多く、気後れすることがあるかもしれません。
しかし、「働かないおじさん」になったことで、「時間は余っている」はずです。
会社で「e-ラーニング」などを提供していれば、積極的に活用し、今まで身に着けてきたスキルを補強していきましょう。
それを活かして、副業などにチャレンジすれば、退職後も「孤独」になることはないでしょう。
もちろん、リスキリングにより「働かないおじさん」から「働くおじさん」になってしまうことも十分に考えられます。
【夢を叶えるため、転職することも考える】
「自分のお金」にお金に稼いでもらうスキルが身につけば、今までより低い年収でも生活することができるようになります。
「自分がやりたいこと」でお金を稼ぐスキルが身につけば、今までとは異なる場所で働くこともできるようになります。
残念ながら組織に属さなければできない仕事も存在します。
年収にこだわらなければ、邪魔者扱いされる会社ではなく、周囲に感謝される会社に転職することも不可能ではありません。
慢性的に人が足りない会社であれば、年齢に関わりなく、夢を叶えるための転職は可能です。
まとめ
リタイア後の三大不安の予防法のとして、あえて「働かないおじさん」を選択するメリットについて考えてみました。
一生懸命働くのも、素晴らしいことですが、そのためにワークライフバランスを犠牲にし、自分も家族も疲弊させてしまうのは、いただけません。
「働かないおじさん」をしながら、「老後資金」や「生きがい」の準備をすることは、人生100年時代の生き残り方としては、悪い話ではないような気がします。
もちろん、実践には勇気が必要です。
しかし、選択肢のひとつとして、考慮するのも悪くないと思います。
少なくても「自分で選んだ生き方である」という自己肯定感は高まります。
悔いのない人生を送るため、できないことはできないと諦めて別の道を探すのもありだと思いますが、いかがでしょうか?