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新NISAで何に投資したらよいのか? 私はこれに投資しています(成長投資枠編)

前回の記事で「新NISAに対する私の考え」と「つみたて投資枠」で投資している商品(楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド)についてご紹介しました。

今回は、「成長投資枠」について考えてみたいと思います。

ただ、私は「好きなものに投資すればいいし、イヤならしなくてもいい」と考えています。

一方で徐々に「お金」の価値が下がっていく中、預貯金のみでは心もとないとも考えています。

その結果、生活に必要のない「お金」は、資産運用と自己投資、残った「お金」は好きなことに回しています。

つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いを整理しつつ、「成長投資枠」は、どう使ったらいいのか?について、私の考えをまとめてみます。

良かったら、ご一読ください。

目次

新NISAつみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いとは? 

ご存じの通り、新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、併用が可能です。

暦年内は、同じ金融機関を使用しないといけませんが、変更は可能です。

たとえば、2024年にA証券を使用している場合、2025年からB証券で取引したい場合は、2025年の最初の取引からB証券で行う必要があります。

金融機関の合併の場合は、手続きが不要だと思われますが、乗り換えを検討する場合は、取引中の金融機関にお問い合わせください。

つみたて投資枠」では、購入できる主な商品は、信託報酬が低い株式投資信託や国内外の株式・債券等に分散して投資をするバランス型の投資信託などが対象となります。

一方で「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」の対象になっている金融商品のほか、個別株なども扱うことができます。

ただし、「金融商品の長期保有による継続的な資産形成をサポートする」というのが、新NISAのコンセプトであるため、主に以下4点の除外条件が設けられています。

  • 整理銘柄や監理銘柄
  • 信託期間20年未満の投資信託等
  • 毎月分配型の投資信託等
  • デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等

整理銘柄や監理銘柄は、それぞれ上場廃止が決定、上場廃止のおそれがある企業の株式のことです。

このような銘柄は長期保有自体が難しいからでしょう。

また、信託期間が20年未満のものは、長期保有ができないため、不適格とされています。

一方で毎月分配型の投資信託は、元本保証がないこと、為替リスクがあること、分配金が運用収益を反映したものではないこと、など長期保有との相性が悪く、対象外になったようです。

最後に、「〇倍ブル」「〇倍ベア」といった投資資金にレバレッジをかけるデリバティブ取引を用いる商品は、値動きが非常に激しくなる傾向にあることから対象外になっているようです。

「成長投資枠」と「つみたて投資枠」については、以下の4点にまとめることができます。

  • 「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を別の金融機関で同時に使用することはできない
  • 「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」と同じ商品が買うことができる
  • 「つみたて投資枠」と同じ商品だけでなく、個別株やアクティブファンドなども買うことができる
  • ただし、長期保有に向かないと判断された商品には投資できない

このように新NISAは、個人投資家の「金融商品の長期保有による継続的な資産形成をサポートする」というコンセプトに沿って設計された優良な制度だと考えています。

「成長投資枠」をどう活かすか?

それでは、「成長投資枠」をどう活かすか?ということになりますが、まずは「つみたて投資枠」の限度額である年間120万円を使い切るのがいいのではないかと考えています。

そのうえで余力があるようであれば、「成長投資枠」の活用を考えることになります。

資産運用に興味がないのであれば、「つみたて投資枠」と同じもの、または「つみたて投資枠」の対象になっている商品を選択するのが、楽で安全性が高いと考えられます。

一方で新NISAの特徴は、以下3の点です。

  • 「成長投資枠」で年間240万円の個別株等に投資できること
  • 売却益や配当金に税金がかからないこと
  • 前年に売却した枠は、翌年に再利用が可能であること

これを踏まえると

  • 値上がりの期待できる個別株
  • 高配当の個別株
  • 上場投資信託(ETF)

などに投資するのもよいかもしれません。

しかし、新NISAでは、年内に行った別の取引の利益と損失を相殺する「損益通算」ができません。

また、年内に相殺できなかった損失を最大3年繰り越せる「損失の繰越控除」もできません。

このことを踏まえると売却益に税金がかからないからといって、デイトレードのように「値動きの激しい個別株」に投資するのは、避けた方がよいと考えられます。

「成長投資枠」で私が投資している商品

私は、資産運用が好きです。

そのため、「成長投資枠」では、「つみたて投資枠」とは、別の商品に投資しようと考えています。

だから、「コア・サテライト戦略」「マクシミン戦略」の考え方を活用し、以下のように「成長投資枠」を使っていきたいと思います。

まず、「つみたて投資枠」では、「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」に毎月10万円を投資します。

もちろん、積立額は、その時の状況により調整しますが、これをコア(守り)とします。

「確定拠出型年金」「厚生年金」にも加入しているので、これらもコア(守り)とします。

ゆえに「成長投資枠」は、サテライト(攻め)として、使う予定です。

一方で新NISAでは、「損益通算」「損失の繰越控除」ができません。

このことから「マクシミン戦略」にしたがって、サテライト(攻め)とはいうもののコア(守り)に近い性質も持たせたいと考えています。

その結果、以下の3銘柄の不動産投資信託(REIT)に投資していこうと思います。

  • 1343:NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信
  • 1488:iFree ETF 東証REIT指数
  • 2556One ETF 東証REIT指数

これらは、日本の不動産投信(J-REIT)市場全体の値動きを表す代表的な株価指数である「東証REIT指数」と連動を目指している点と「分配金支払い基準日が年4回」という点が共通しています。

一方で分配金支払い基準日は、各ETFで異なっているため、3つのETFに均等に投資することで分配金を毎月もらうことができるようになります。

また、残った枠は、なんとなく気になる個別株(日本株)に投資していこうと思います。

楽天証券では、1株*から投資できること日本企業の成長に貢献し、利益を還元してもらいたいからです。

資産形成では、分配金を再投資してくれるファンドの方が余分な税金がかからず、複利効果が効いて、有利だと言われています。

しかし、私が資産運用をするのは、「お金」を増やすことが目的ではなく、「お金」の寿命を延ばすことが目的です。

そのためには、物価上昇による「お金」の価値の低下以上に利益を出しつつ、一定額を現状の生活を維持・向上のために使うことが必要だと考えています。

分配金というお小遣いを毎月もらいながら、現役時代に資産を積み上げる考え方は、悪いことではないと思います。

もっとも、「つみたて投資枠」の毎月10万円の負担が大きく、まだまだ先のことになりそうですが…

いずれにせよ「新NISA」は、「非課税保有期間の無期限化」、「口座開設期間の恒久化」というメリットがあります。

ゆっくり時間をかけて、楽しんでいきたいと思います。

*単位未満株といいます。 楽天証券では、条件を満たす一部の企業の株式を手数料なしで購入することができます。

まとめ

新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いと「成長投資枠」について私が考えていること、投資している商品を紹介しました。

「新NISA」の「非課税保有期間の無期限化」、「口座開設期間の恒久化」というメリットを活かし、ゆっくり時間をかけて、楽しんでいきたいと思います。

なお、本記事に記載した情報や意見によって発生した損害や損失については、一切責任を負いません。

投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

【前回の記事】

補足1:コア・サテライト戦略 【Core-Satellite strategy】

コア・サテライト戦略は、ポートフォリオ(運用資産)を「守り」と「攻め」に分けて管理する運用方法です。具体的には、以下のようにポートフォリオを構成します。

  • コア(守り): リスクを抑えつつ、長期的に安定したリターンを目指す。
  • サテライト(攻め): コアよりも高いリスクを許容し、高いリターンを目指します。

コア部分は、日本国債などの債券、バランスファンド、世界の株式に投資するインデックスファンドなどが選択肢となります。

一方、サテライト部分では、コアよりも高いリターンが狙える可能性がある株式、不動産投資信託(REIT)、アクティブファンドなどが含まれます。

この戦略を適切に組み合わせることで、リスクとリターンを適切にコントロールし、資産形成ができるとされています。

また、具体的な配分比率は年齢や投資目的によって異なりますが、一般的にはコアが運用資産全体の7割、サテライトが残りの3割を占めるのが理想的とされています。

なお、誤解されることが多いのですが、投資の場合、「リスク」は「危険」ではなく、「変動幅」のことだと考えた方が正しい場合が多いように思います。

補足2: マクシミン戦略 【Maximin strategy】

マクシミン戦略は、意思決定の際に用いられる一つの基準です。

この戦略の特徴は、複数の選択肢から、最悪の場合の利益が最も大きくなる選択肢を選ぶという考え方に基づいています。

具体的には、複数の行動の選択肢がある場合、それぞれの行動の結果想定される最悪の場合の利益を比較し、これが最大になるような選択肢を選びます。

例えば、行動Aと行動Bの二つの選択肢があり、行動Aの最大利益が100で最小利益が10、行動Bの最大利益が50で最小利益が20であるとします。

このような場合、マクシミン戦略では、両者の最小利益である10と20を比較し、より大きい20が得られる行動Bを選択します。

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