投資の世界で「安全な選択肢」とされる債券。
株式のような激しい値動きが少なく、定期的な利子収入が得られることから、リスクを抑えたい人や退職後の資産運用に適していると言われます。
しかし、債券は本当に安全なのでしょうか?
その安全性は自国通貨建てと外国通貨建てでどう違うのでしょうか?
この記事では、債券の安全性に迫り、リスクや選び方のポイントを詳しく解説します。
目次
債券の基本と安全性
債券とは、政府や企業が資金を調達するために発行する「借用証書」のようなものです。
投資家は債券を買うことでお金を貸し、定期的に利子を受け取り、満期時に元本が返済されます。
この仕組みから、債券は株式に比べて安定性が高いとされています。
【債券が「安全」と言われる理由】
- 固定収入 定期的な利子で安定したキャッシュフローが得られる
- 元本返済 満期まで持てば元本が戻るため、損失リスクが低い
ただし、債券にもリスクが潜んでいます。安全性を語る前に、これらを理解しておくことが大切です。
債券に潜む主なリスク
債券は安全とされますが、以下のようなリスクが存在します。
- 信用リスク 発行体が破綻(デフォルト)し、利子や元本が支払われない可能性
- 金利リスク 金利が上がると債券の市場価値が下がる
- インフレリスク 物価が上昇すると固定利子の実質価値が減る
- 為替リスク(外国通貨建ての場合) 為替レートの変動が収益に影響する
これらのリスクは債券の種類によって異なり、特に為替リスクは外国通貨建ての債券に特有です。
自国通貨建ての債券の安全性
自国通貨建ての債券とは、例えば日本人が日本円で発行された債券を買う場合です。
この場合、為替リスクがないため、安全性が比較的高いとされます。
<日本国債>
日本政府が発行し、デフォルトリスクが非常に低い。
為替リスクもないため、日本人にとって安定性が高い。
<地方債>
日本の自治体が発行する債券で、信用力が高く安全とされる。
ただし、金利が上昇すれば債券価格が下がり、インフレで利子の価値が目減りするリスクは残ります。
外国通貨建ての債券の安全性
外国通貨建ての債券とは、日本人が米ドル建ての米国債を買うようなケースです。
発行体の信用力が高くても、為替レートの変動が収益に影響を与えるため、リスクが増えます。
<米国債>
米国政府が発行し、世界的にも信用力が高い。
しかし、日本人にとってはドル/円の為替変動が収益に影響する。
<新興国債券>
高利回りが魅力だが、デフォルトリスクや為替リスクが大きく、安全性は低い。
為替リスクの例
例えば、1ドル100円で米国債を100万円分(1万ドル)購入したとします。
満期時に1万ドルが返済されても、その時1ドル90円(円高)になれば、900万円しか戻らず、100万円の損失に。逆に円安なら利益が出ますが、為替リスクは避けられません。
自国通貨建てと外国通貨建ての比較
以下の表で、安全性を比較してみましょう。
発行体の信用力が同じでも、為替リスクがある外国通貨建ての債券は安全性が下がります。
債券の安全性を高めるポイント
安全に債券投資をするための方法を紹介します。
- 信用力の高い発行体を選ぶ 政府や優良企業が発行する債券を優先。
- 自国通貨建てを選ぶ 為替リスクを避けるため。
- 分散投資 複数の債券に投資してリスクを分散。
- 満期まで保有 金利リスクを抑え、元本返済を確実に受け取る。
外国通貨建ての債券でも、例えば輸出企業のようにその通貨で収入がある場合、為替リスクが自然に軽減され、安全性が高まることもあります。
まとめ
債券は株式より安全とされますが、リスクがゼロではありません。
特に外国通貨建てでは為替リスクが加わり、収益が変動する可能性があります。
安全性を重視するなら、自国通貨建てで信用力の高い債券を選ぶのが賢明です。
【投資家へのアドバイス】
- リスクを理解し、自分のリスク許容度に合った債券を選んでください。
- 専門家に相談しながら、ポートフォリオに債券を組み込むのも良い選択です。
この記事が、債券の安全性について理解を深め、賢い投資判断の一助となれば幸いです。