そもそもインデックスとは? 資産運用 六歩目

前回の記事では、「長期・積立・分散投資」の3つのポイントを押さえた資産運用の手段として、インデックスファンドの積立投資を紹介しました。

「インデックス投資」や「インデックスファンド」という言葉はよく聞きますが、そもそも「インデックス」とはどんなものなのでしょう?

今回は、インデックスについて、まとめてみたいと思います。

また、「パッシブ運用」と「アクティブ運用」についても触れてみたいと思います。

ご一読いただければ、幸いです。

インデックスファンドの積立投資については、以下の記事も参照してください。

目次

そもそも「インデックス」とは?

インデックスとは、全体の動きを示す「指数」のことです。

そのため、インデックスは投資以外にも、さまざまな分野で活用されています。

主な活用例としては、

  • 経済の健全性や成長分析: 消費者物価指数(CPI)のようなインフレ率の測定
  • ベンチマーク: 業界特有のインデックスにより自社のパフォーマンスを業界平均と比較
  • リスク管理: クレジットスコアなどを活用し、貸し倒れのリスクを管理
  • 社会的指標: 人間開発指数や幸福度指数などは、国や地域の生活水準や幸福度を測定

このようにインデックスは、単に投資の意思決定ツールとしてだけでなく、より広い意味で社会や経済の動向を理解するための重要な指標として、活用されます。

一方で投資の世界では、日経平均のような日本株式の市場動向を示すインデックス以外にも、債券、不動産、商品などの市場動向を示すインデックスが存在します。

そのため、世界には1万種類以上のインデックスがあるといわれています。

インデックスの主な分類には、以下のようなものがあります。

  • 資産別: 株式、債券、不動産、コモディティ(商品)
  • 地域別: 日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、全世界など
  • 国別:  個別国(日本、米国、中国など)、先進国、新興国
  • 通貨別: 日本円、米ドルなど

その他に株式であれば、業種別、規模・テーマにより細分化されます。

同様に債券であれば、国が発行する国債や会社が発行する社債などに細分化されます。

代表的な資産により、インデックスとその構成銘柄を分類すると以下のようになります。

資産の種類によるインデックスの分類

インデックスについて説明したところで、次はインデックスファンドについてです。

「インデックスファンド」とは、インデックスに連動するよう設計された投資商品のことです。

「インデックスファンド」は、「投資信託(インデックス投信)」と「ETF(上場投資信託)」の2つに分類することができます。

「ETF」は、国内の取引所上場している「国内ETF」と海外の取引所上場している「海外ETF」に分けることができます。

ややこしくなってきたので、以下の比較表をご確認ください。

同じインデックスに連動するよう設計された複数のインデックスファンド(投資信託・ETFの総称)が存在するため、インデックスの数よりもインデックスファンドの方が多くなります。

投資信託とETFの使い分けは、後で説明しますが、注意したいのは、「信託報酬」と「手数料」です。

「信託報酬」は、インデックスを作っている会社(提供者)ごとに異なりますし、「手数料」は取引窓口(販売者)によって異なります。

そのため、同じインデックスに連動するよう設計されたインデックスファンドでもコストが異なるため、最終的な利益に差が出ることになります。

インデックスファンドを選ぶ際は、「信託報酬」と「手数料」にも注意しましょう。

ETFと投資信託のどちらを選ぶか?

ETFと投資信託のどちらを選ぶかは、それぞれの商品の特性と投資家自身の運用戦略によって異なります。

どちらも分散投資を通じてリスクを軽減することができますが、以下の点を考慮すると良いでしょう。

  • 流動性
  • 運用戦略
  • コスト

【流動性】

ETFは証券取引所で取引されるため、市場の開いている時間であればいつでも売買が可能です。

そのため、市場の変動に応じて迅速にポジションを変更することができます。

一方で投資信託は基準価額が1日1回算出されるため、市場の変動に即座に対応することはできません。

【運用戦略】

これは、ETF・投資信託に共通するポイントですが、運用戦略には、「パッシブ運用」と「アクティブ運用」があります。

パッシブ運用は、インデックスに連動させ、市場平均のリターンを目指すため、ファンドの価格は、市場の変動と同様に変動することになります。

一方、アクティブ運用では、市場平均以上のリターンを目指すため、運用者が市場の変動に応じ、投資対象の銘柄やセクターを変更することがあります。

そのため、ファンドの価格が市場の変動と一致しないこともあります。

【コスト】

パッシブ運用は、運用者(ファンドマネージャー)の関与が少ないため、運用コストは低くなります。

一方でアクティブ運用では、ファンドマネージャーの関与が多くなるため、運用コストは高くなります。

ただし、ファンドマネージャーの関与が多いからといって、必ずしもリターンが大きくなるわけではないということには、注意が必要です。

また、ETFでは、決算期間中に発生した利子や配当から費用を除いた全額を投資家に直接分配します。

一方で投資信託には、分配金のあるタイプとないタイプがあります。

分配金があるタイプは定期的に分配金が支払われますが、分配金がないタイプは自動的に分配金が再投資されます。

「新NISA」では、非課税投資の上限が1,800万円ということもあり、資産運用を目的とする場合、手数料の安い「パッシブ運用」かつ分配金の再投資が自動でできる「投資信託」が向いているのではないでしょうか。

一方で分配金を生活費などに充てたい場合は、ETFを選んだ方が良いかもしれません。

いずれにしても、投資前にそれぞれの商品の特性をよく理解し、自身の投資目的に合った選択をすることが重要です。

まとめ

今回は、インデックスについて、まとめてみました。

また、「パッシブ運用」と「アクティブ運用」についても触れてみました。

インデックスファンドは、ETFと投資信託に分けられますが、どちらを選ぶかは、投資家のリスク許容度、投資期間、運用戦略に合わせ、判断する必要があります。

また、インデックス投資は、再現性・勝率の高い投資手法ですが、提供者・販売者によって、最終的な利益に差が出ることになります。

インデックスファンドを選ぶ際は、「信託報酬」と「手数料」にも注意しましょう。

なお、本記事に記載した情報や意見によって発生した損害や損失については、一切責任を負いません。

投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

最後にインデックス投資の参考資料として、水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』をご紹介します。

この本は、インデックス投資に焦点を当てており、資産を成長させるためのアプローチを提案しています。

市場全体に広く投資できるインデックス投資の強みを最大限に活かし、長期的な視点で投資を行い、市場の変動に左右されずに資産を増やしていきましょう。

また、増やした資産もいつかは取り崩す日がやってきます。

そのときに必要になる出口戦略も詳しく説明されています。

さらに大暴落時の心構えもリーマンショックや他の経済的な危機を乗り越えた経験から学ぶことができます。

インデックス投資に興味がある方や、資産を効果的に増やしたい方にオススメです。


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