～キャリアに迷ったら「キャリア・アンカー」を見つめ直そう～
「このままでいいのかな．．．」と感じる瞬間、ありませんか？
仕事に追われる日々の中で、ふと立ち止まって自分のキャリアに疑問を持つことは、誰にでもあることです。
転職すべきか、今の職場で頑張るべきか──その答えは簡単には出ません。
そんなときに役立つのが「キャリア・アンカー」という考え方です。
これは、自分のキャリアにおいて“絶対に譲れない価値観”を見つけるための理論です。
自分らしい働き方を見つけるヒントになります。
キャリアの選択に迷ったときこそ、自分の内側にある軸を見つめ直すことで、納得感のある道が見えてくるのです。
目次
キャリア・アンカーとは？ 3つの要素と8つのタイプ
キャリア・アンカーは、心理学者エドガー・H・シャイン教授が提唱した理論で、「自分のキャリアにおいて譲れない価値観や欲求」を指します。
これは以下の3つの要素が重なり合う部分に存在します。
- コンピタンス（得意なこと）
- 動機（やりたいこと）
- 価値観（大切にしたいこと）
この3要素をもとに、キャリア・アンカーは以下の8つのタイプに分類されます。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 専門・職能別能力 | 特定分野の専門性を深めたい |
| 経営管理能力 | 組織を動かし成果を出すことにやりがい |
| 自律・独立 | 自分の判断で自由に働きたい |
| 保障・安定 | 経済的・雇用的な安心を最優先 |
| 起業家的創造性 | 新しい価値を生み出すことに挑戦 |
| 奉仕・社会貢献 | 人や社会に役立つことに喜びを感じる |
| 純粋な挑戦 | 難題や未踏の領域に挑むこと自体に価値を感じる |
| 生活様式 | 仕事と私生活の調和を重視する |
多くの人は複数のタイプに関心を持っていますが、「どうしても譲れない」領域こそが自分のキャリア・アンカーです。
自分がどのタイプに近いかを知ることで、働き方や職場選びの軸が明確になります。
自分のキャリア・アンカーに気づいた瞬間
私自身も、かつて「やりたいことがわからない」「転職してもまた迷うかも」と悩んでいました。
周囲の期待や安定志向に流されて、自分の本音を見失っていたのです。
そんなとき、キャリア・アンカーという考え方に出会い、自分の中にある“譲れない軸”に気づきました。
それは「自分のペースで働きたい」という価値観です。
周囲に合わせすぎて疲弊していた自分にとって、これは大きな発見でした。
自分の価値観に合った働き方を選ぶことで、仕事への納得感や充実感が格段に変わることを実感しました。
キャリア・アンカーを仕事選びや転職活動に活かす方法
キャリア・アンカーを知ることで、日常の仕事選びや転職活動において「自分に合った選択」がしやすくなります。
たとえば、求人票を見るときは「仕事内容」だけでなく「価値観に合うか」をチェックしましょう。
面接では「私は〇〇を大切にしているので、この仕事に魅力を感じています」と伝えることで、納得感のあるマッチングが可能になります。
また、社内異動やプロジェクト選びでも「自分のアンカーに合っているか？」という視点を持つことで、モチベーションや成果にもつながります。
キャリアの選択に迷ったときこそ、アンカーを羅針盤にしてみましょう。
さいごに：キャリア・アンカーを見つけるための第一歩
まずは、自分のキャリア・アンカーを探ってみましょう。
ネット上には簡易診断ツールもありますし、3つの要素（得意・動機・価値観）を書き出してみるだけでも発見があります。
アンカーに合わない環境にいると、知らず知らずのうちにストレスが溜まることもあるため、自己理解は心身の健康にもつながります。
自分らしい働き方を見つける第一歩として、ぜひキャリア・アンカーを意識してみてください。